雪国の大自然が生み出すアートイベント『大地の芸術祭』に行ってきました

毎年夏から秋にかけて、全国各地でさまざまなアートイベントが開催されています。
今回訪れた『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018』は、日本有数の豪雪地帯である新潟県越後妻有(えちごつまり)地域を舞台に3年に1度開催されるアートフェスティバル。国際芸術祭の中でも世界最大規模で、東京23区をすっぽりとカバーできるほど広大なエリアに、約360ものアートが点在しています。
イベントの総合ディレクターを務めるのは新潟県出身のアートディレクター、北川フラム氏。同氏は瀬戸内海の島々を舞台にした「瀬戸内国際芸術祭」も手がけています。

かつて工場だった建物や古民家を改装して作品を展示したり、廃校となった小学校を宿泊施設や劇場として甦らせるなど、さまざまな形で越後妻有の魅力を発信しています。道沿いや田んぼなど至るところにオブジェが存在し、地域の方々にとっては里山の自然と共生するように暮らしの中にアートが根付いているのですね。

以下に、中里エリア・津南エリア・松代エリアの一部の作品をご紹介します。

N028「たくさんの失われた窓のために」 内海昭子(日本) ※2018年5月撮影
カーテンが風に揺れ動く窓越しに、清津川の清流と山々を臨む作品。
季節や時間帯、見る人の心情によって、様々な風景を見せてくれます。


N080「ライトケーブ」 マ・ヤンソン(中国) ※2018年5月撮影
清津峡渓谷トンネルの終点となるパノラマステーションに張られた水鏡が、
美しい景観とそこに佇む人々のシルエットを映し出します。


M058「ワークプラウド」 ダミアン・オルテガ(メキシコ) ※2018年8月撮影
かつて繊維工場だった木造の建物内に張り巡らされた無数の糸のカーテン。
見る角度によって球体のオーナメントが六角形を形取り、まるで雪の結晶のよう。


M052越後妻有「上郷クローブ座」 豊田恒行(日本) ※2018年8月撮影
M053「Untitled project for Echigo-Tsumari」 パオラ・ピヴィ(イタリア)
廃校を劇場として甦らせた「上郷クローブ座」。演劇仕立てのレストランで
地元の郷土料理も楽しめます。看板ロゴタイプは浅葉克己氏によるデザイン。

開催年である今年は国内外から多くのアーティストやパフォーマーを招致し、さまざまなライブや舞台作品も公演されていました。ちょうど現地を訪れた日は、人形浄瑠璃とサーカスをモチーフとした創作劇のリハーサルに遭遇!篠笛・アコースティックギター・パーカッションなどの生演奏をBGMにストーリーが展開していくのですが、その神秘的な世界感にすっかり魅了されてしまいました。

D001「棚田」 イリヤ&エミリア・カバコフ(ロシア) ※2018年8月撮影
創作劇を上演するステージの舞台奥に広がる棚田と農民の彫刻。このエリアには
日本を代表する芸術家、草間彌生氏による巨大な花のオブジェもあります。

いつかこんな素晴らしいイベントに携わりたい・・と想いを馳せつつ、「大地の芸術祭」のイメージカラーである黄色を基調とした案内板や発行物など、今後の参考になるアイデアをたくさん吸収させていただきました。何より大自然の中で五感のすべてを刺激され、最高にリフレッシュできる旅となりました。

大地の芸術祭の開催期間は9/17まで。常設展示の作品も200近くあるので、四季の自然と調和するアートを一年中楽しむことができます。関西方面からはちょっぴり距離がありますが・・、新潟方面にお出かけの際はアート鑑賞ドライブを楽しまれてはいかがでしょうか。

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